GoNOW(ゼロスペック) センサーで灯油残量把握
大型の灯油ホームタンクが普及する豪雪地帯と違い、タンクはあっても小型でポリ缶注文も多い南東北の太平洋側では灯油配送が非効率になる。そんな環境の郡山市で、各家庭のタンク残量をリアルタイムに把握できるシステムを導入して効率化を図り始めた燃料販売会社がある。
郡山市内を中心に灯油を届けるTOHOピクス(馬場栄一郎社長)。今冬の灯油需要期に入る前、ゼロスペック(本社・札幌市)のスマートオイルセンサーとGoNOW(配送管理システム)を本格導入した。顧客の8割強のタンクにセンサーを取り付け、スマホなどでタンク残量をリアルタイムに把握できるようにした。
関根淳一燃料設備事業部長は「灯油の需要が今後大幅に増えることはないだろう。ならば配送コストを削減して利益率を改善し、将来も事業を続けられる環境を整えようと考えた」と狙いを説明する。
長年蓄積した勘に頼るスタッフもおり、まだシステム機能の半分も活用できていない現状だが、効果は早くも数字に表れた。寒かった1月、灯油の販売数量は前年比3%伸びたが、ローリーの走行距離は18%削減できた。配送スタッフを1人減らしても回せている。
郡山市で普及するホームタンクは小型の容量90㍑。しかも同社の顧客はポリ缶との併用やすべてポリ缶の家庭もあり、配達計画は複雑になる。定期配送に回る頻度も週1回から2ヵ月に1回まで多様になり、加えてスポット注文も入る。
同社配送センターの采女糾副所長は「配送頻度を減らすには各家庭の使用状況の変化を正確に把握する必要があり、センサーが役立っている」と明かす。配送計画の作成でもシステムが示す効率的な順路が従来の逆回りになることもあり、「スタッフの熟度が高まればさらに効率化できる余地は大きい」と話す。
来年冬までには全顧客のタンクにセンサーを設置する計画だ。関根部長は「配送作業に時間的余裕が生まれれば、タンク設置や給湯器などの油外セールスも可能になる。ポリ缶からタンクに乗り換えてもらうためなら当社負担でタンクを設置することも視野に入れており、システムを最大限に活用して効率化を目指していきたい」と話している。