補助金活用し次世代車対応へ整備機器アップデート② 整備・鈑金塗装の業界動向
SSも含めた兼業整備事業者の市場規模が伸びている。コロナ以降、自動車保有は約8200万台で推移し、新車販売台数が2024年に442万台と低迷が続く一方で、平均使用年数は13.32年と年々伸びていることなどが後押しし、23年度の整備売上高は3年連続の増加を記録。25年度の政府補正予算で、SSの事業多角化を支援する補助金の対象にも「自動車整備・検査」「鈑金塗装」が盛り込まれ、事業強化の1つの好機を迎えている。
【平均使用13.32年】
日本自動車整備振興会連合会(日整連)の「自動車特定整備業実態調査」によると、23年度(7月~翌6月)の整備売上高は前年比5.9%増の6兆2561億円となった。6兆円超は18年ぶりの高水準で、前年比の増加率は令和に入ってから最大。業態別に見ると、専業(同4.4%増)、ディーラー(同5.4%増)、自家(同8.6%増)に対し、SSやカー用品店などを含む兼業が同11.8%増の7716億円と大きく伸長した。
【設備導入補助金も追い風】伸びる車齢、高まる整備需要
売上高6兆円超
作業内容別の売上高では、「事故整備(同9.6%増)」が最も大きく増加した。ただ小項目も含めると、ディーラーの同50.0%増が牽引役となった「3ヵ月点検」が同15.5%でトップ。兼業だけを見ると、「車検整備」「定期点検整備」「事故整備」の全てで2桁の前年増となり、中でも「6ヵ月点検」の同54.3%は業態・作業内容(小項目)別でトップの伸び率となった。
23年に起きた大手中古車販売店の不正問題などを背景に、消費者のアフター事業者への利用意向にも変化が生じている。NIQ/GfKジャパンの「自動車購入、車検、タイヤ・エンジンオイル・バッテリー交換に関する消費者調査(23年12月)」によると、直近の車検の実施場所では「ディーラー(57%)」が最多。ただ、次回車検で同じ店舗を利用するかの質問では、「個人の自動車販売店」「車検・整備工場」がディーラーを上回った。SSでの車検実施は全体の4.2%にとどまるものの、次回の利用意向は約50%に上り、「費用が安かった」「自宅から近かった」ことを理由に挙げている。また、タイヤ・オイル・バッテリー交換に関する回答から、「共通する特徴として、自動車の購入から年月が経つと自動車ディーラーから他の販売店に移行することが挙げられる」と分析しており、事業者全体へ求めることとして「信頼できる店であること」が最重視されている結果も記載している。
ディーラーや整備・鈑金塗装事業者などに整備機器を販売する専門商社バンザイ(港区、柳田昌宏社長)によると、近年の整備事業の動向について、長期保有する車両の維持整備を1つの商機に挙げる。「納車期間の長期化などの影響で買い替えではなく、乗り続けることを選ぶ消費者が増えた。その結果、車検やメンテナンス需要が高まっていることが整備市場の堅調につながっている。とりわけディーラーは、メンテナンスパックで初回(3年目)もしくは2回目(5年目)の車検までのフォローが手厚い一方、専業・兼業整備事業者にとっては、ディーラーの囲い込みから離脱した車両がターゲットになると同時に、平均車齢の増加も後押しに市場規模は大きくなってきているように見受けられる」(営業企画開発部・佐野正明部長)と話す。