SSトラブルよろず相談室・事例集⑩ マット塗装の手洗い洗車でテカテカに、トラブルの対策は?
ジャパンリスクソリューション主席コンサルタントの佐藤哲治が、クレーム対応や労務問題など、SSで発生したトラブルの解決事例を紹介!
<トラブル内容>
黒のマット塗装(艶消し塗装)車を手洗い洗車したところ、頑固な固着汚れを除去するため局部的に強くこすり洗いをした。拭き上げが完了して見てみたら、その部分だけが薄くではあるがテカテカに。お客様は塗装のやり直しを要求。この様なトラブルの対策は済んでいますか?
<解説>
最近はマット塗装を施した高級車が増えている。洗車スタッフは洗車時の注意点を知っていなければ思わぬ高額賠償を請求されかねない。マット塗装とは「艶消し塗装」のことで、車の高級感を出すために考案された塗装技術。極微細なザラツキのある塗料により光沢を消し、クリアは塗布されていない。つまり塗装の防御壁がないということ。この塗装の弱点は表面凹凸のために汚れが付きやすく、除去しにくい。もちろん洗車機も使えない。鳥の糞、樹液などが固着したら時間をかけて中性シャンプーでソフトに洗うことになる。もし、このような車が埃や泥にまみれた状態で手洗い洗車を求められたらどうすべきなのか?
洗車しても固着汚れは容易にとれない。ユーザーからは「何とかしてくれ」と言われ、無理に除去しようとしたら表面凹凸を削ることで「艶出し」してしまい「塗装やり直し」を要求してくることは明白。SSの対策は2つしかない。一つは「マット塗装車の洗車はお断り」、もう一つは「固着汚れが残ることを了承いただけるなら手洗いする」だ。マット塗装専門工場では固着汚れを除去するだけでも結構な費用がかかる。SSの手洗い料金ではリスクに見合わない。
なお、マットラッピングフィルム(マット加工したフィルム)やマット塗装専用のコーティング(高額)もあるが、いずれも見た目では識別が難しい。
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